昔語り
2004.12.07 Tuesday
「昔、ここは豊かな国だったの。この椅子はね、玉座なのよ」
少女はそう言ってかすかに笑ってから、話を始めた。
長い長い話だった。彼女は今はないこの国の最後の王様なのだ。この国の全てを知っていてもおかしくはない。
僕はメモをとりながら彼女の話を聞いていた。亡国の玉座に座り続ける少女の話なんて、旅行記の中の一話にうってつけだろう。
「他に君の国についてのおもしろい話ってないかな?」
僕がそう聞くと、彼女は少し考えるようにしてから、首を振った。
「私、あなたに何をお話したか忘れちゃったわ」
「ええとね……」
僕は少女に助け舟を出そうと、メモを読み上げた。
「昔、ここは豊かな国だったんだ。その椅子は玉座だよ」
「ええ、それから?」
僕は軽くうなずいてから、話を始めた。
長い長い話だった。僕は今はないこの国の最後の王様なのだ。この国の全てを知っていて当然だ。
メモをとりながら僕の話を聞いていた少女は、僕に質問をする。
「他にあなたの国についておもしろい話ってないかしら?」
僕は玉座に寄りかかり、首をひねる。少女に何を話したのか、さっぱり覚えていなかった。
少女はそう言ってかすかに笑ってから、話を始めた。
長い長い話だった。彼女は今はないこの国の最後の王様なのだ。この国の全てを知っていてもおかしくはない。
僕はメモをとりながら彼女の話を聞いていた。亡国の玉座に座り続ける少女の話なんて、旅行記の中の一話にうってつけだろう。
「他に君の国についてのおもしろい話ってないかな?」
僕がそう聞くと、彼女は少し考えるようにしてから、首を振った。
「私、あなたに何をお話したか忘れちゃったわ」
「ええとね……」
僕は少女に助け舟を出そうと、メモを読み上げた。
「昔、ここは豊かな国だったんだ。その椅子は玉座だよ」
「ええ、それから?」
僕は軽くうなずいてから、話を始めた。
長い長い話だった。僕は今はないこの国の最後の王様なのだ。この国の全てを知っていて当然だ。
メモをとりながら僕の話を聞いていた少女は、僕に質問をする。
「他にあなたの国についておもしろい話ってないかしら?」
僕は玉座に寄りかかり、首をひねる。少女に何を話したのか、さっぱり覚えていなかった。
イラスト超短編【選評】○○
製品カタログ「無責任の心得」収録。
「超短編の世界」に掲載していただいた「娘たち」も同じくイラスト超短編。「娘たち」は、◎(◎)△××って感じ。







