白く塗れ
2005.04.29 Friday
奴は持っていた花束を放り投げる。
その真っ赤な薔薇が風に飛ばされる前に、僕は花びらを右手で掴む。
そんな僕を見て不敵に笑った奴は、真っ青な海をペットボトルに入れて投げた。
僕はそれをダイビングキャッチし、奴に笑顔を返してやった。
けれども奴は余裕の表情で、レモンスライスを僕に向かって手裏剣のように飛ばした。
危ないと思った時にはもう遅く、レモンスライスは僕の額にぺたりと貼りつく。
とっさに僕は右手を開く。
すると、薔薇の花びらが風に飛ばされて舞っていった。
「む、お前もなかなかやるな」
危ういところで真っ白になった僕を見て、奴が言った。
「今日のところは引き分けだな」
同じく真っ白になった奴を見て、僕は言った。
「ああ、次は黒で勝負だ」
そう言って去っていく奴の背中を見ながら、僕は額のレモンをはがす。
次こそは絶対勝ってやる。そう思いながら、レモンを海に投げ入れるとライムに変わって沈んでいった。
その真っ赤な薔薇が風に飛ばされる前に、僕は花びらを右手で掴む。
そんな僕を見て不敵に笑った奴は、真っ青な海をペットボトルに入れて投げた。
僕はそれをダイビングキャッチし、奴に笑顔を返してやった。
けれども奴は余裕の表情で、レモンスライスを僕に向かって手裏剣のように飛ばした。
危ないと思った時にはもう遅く、レモンスライスは僕の額にぺたりと貼りつく。
とっさに僕は右手を開く。
すると、薔薇の花びらが風に飛ばされて舞っていった。
「む、お前もなかなかやるな」
危ういところで真っ白になった僕を見て、奴が言った。
「今日のところは引き分けだな」
同じく真っ白になった奴を見て、僕は言った。
「ああ、次は黒で勝負だ」
そう言って去っていく奴の背中を見ながら、僕は額のレモンをはがす。
次こそは絶対勝ってやる。そう思いながら、レモンを海に投げ入れるとライムに変わって沈んでいった。
第4回MSGP2005第1回戦「黒く塗れ」のおまけ。
製品カタログ「無責任の心得」収録。







