続きはまた今度
2007.05.12 Saturday
物語の途中で母親の声が途切れ、少女はベッドから体を起こす。見ると母親は椅子に腰掛けたまま眠ってしまっていた。
「お母さん?」
少女は控えめに声をかけたが、母親は起きない。今度は大きめに呼んだ。
「お母さん! 続きは?」
「続き、知りたいか?」
答えたのは母親ではなかった。少女の祖母よりももっとずっと年をとった老婆の声だった。
「お話の続きを知りたいのかい?」
「誰? どこにいるの?」
声は聞こえるのに、姿は見えない。少女は見慣れた自分の部屋をきょろきょろと見回した。
「お前、続きが知りたいんじゃないかい?」
声は同じことを繰り返すだけで、少女の問いには答えない。
「これからどうなるのか、知りたくないのかい? お前は、続きを知らないままでいいのかい?」
「えー……」
「それなら、続きを知りたいかい?」
「知りたい」
「じゃあ、おいで」
少女がうなずくと、明るかった部屋が急に真っ暗になった。
ところで、お前もこの続きが知りたいか?
「お母さん?」
少女は控えめに声をかけたが、母親は起きない。今度は大きめに呼んだ。
「お母さん! 続きは?」
「続き、知りたいか?」
答えたのは母親ではなかった。少女の祖母よりももっとずっと年をとった老婆の声だった。
「お話の続きを知りたいのかい?」
「誰? どこにいるの?」
声は聞こえるのに、姿は見えない。少女は見慣れた自分の部屋をきょろきょろと見回した。
「お前、続きが知りたいんじゃないかい?」
声は同じことを繰り返すだけで、少女の問いには答えない。
「これからどうなるのか、知りたくないのかい? お前は、続きを知らないままでいいのかい?」
「えー……」
「それなら、続きを知りたいかい?」
「知りたい」
「じゃあ、おいで」
少女がうなずくと、明るかった部屋が急に真っ暗になった。
ところで、お前もこの続きが知りたいか?
製品カタログ「かなかなの夜」収録。







